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アメリカ自動車コラム

<No.11_010309> 題目:アメリカの初等教育について

アメリカの初等教育に地域差があるのを知っていますか?
ウィスコンシン州は、全米でも学校の教育レベルが高いところで、大学への進学率も比較的高いところだそうです。

さて先日、友達からミルウォーキーの高校生に、自分の研究分野や日常生活のことなどを、高校の授業で話してくれないかとお願いされたので、50分ほど授業で話すことに。。。
授業は大学のビデオ会議システムを使って行われました。

その授業はアジア・ヒスパニック、アフリカンなどの移民が多いクラスで、どうしてその研究をしているのか、学費をどう捻出するかというのが彼らの関心の中心であった。

国際学会で発表した経験があったものの、50分間話すのは大変ではあった。でも高校生との会話は楽しく、有意義な時間を過ごすことができた。

ちなみに、この授業を主に運営しているのはウィスコンシン大学の学生で、彼らはウィスコンシン州から奨学金をもらっているそうである。

自分の中学・高校の頃というと、漠然とエンジニアになろうという目標はあったが、実際に現実的な情報を聞く機会はなかったように思う。

もし、自分にもこういう機会があり、エンジニアだけではなく、法律、医学、語学などの分野の人から話を聞くことができれば、もっと違った人生を歩んでいたのだろうか?

日本の教育プログラムにも欲しいと素直に思った。

自分は英作文が下手なので、教育学部の博士課程の学生から週二回各一時間、英文エッセイの書き方を教えてもらっている。

1時間15ドルで契約しているが、先生の質の高さには驚いてしまう。多分日本で同じことをしたら、4倍の値段はするだろう。間違いは厳しく指摘されるのだが、ちょっとでも良い文章を書くとすぐ誉めて、自分をやる気を高めてくれる。

自分が受けているエッセイであるが、教育に関する評論を10ページ程度読み、それをまとめ、さらに自分の批評をくわえたエッセイを書くというもの。

2〜3回、その教育学部の学生に見てもらって書き直して完成させるのだが、問題は英語よりも自分の批評内容が多い。始めの頃は「あなたの書いたエッセイの内容は構成が良くない。これは英語以前の問題だ!」と言われてしまい、ショックを受けた。

自分はそれまで本格的な英作文の勉強したことがなかった。日本の工学部でも英作文、エッセイを書き方を教えてもらったという話はあまり聞いたことは無い。でも外資系メーカーがこれだけ増えるとエンジニアもこれからは必要な能力と自分は思う。

さて批評内容。
今読んでいる評論が2つあり、一つは学校全体の生徒の基礎学力レベルを上げるために、全員教育カリキュラムを同じにして授業を進め、学力成績もあまり差をつけないというもの。

これは皆さんご存知のような日本型教育である。もう一方のは、「創造性」・「問題解決」・「ディベート」能力を高め、学力成績にも差をつけ、そして各個人の能力によって教育カリキュラムが変わっていくというもの。

資本主義の中を勝ち抜くための教育スキルが中心である。今のアメリカや欧米はこの後者の教育色が強い。

現在の日本を考えてみる。日本は識字率も高く、教育水準も高いので、たとえばメーカーでは高品質の製品を作り出すことができる、それが得意領域である。

しかし、飛びぬけた天才が少ないので、会社の経営状態が悪くなると、問題解決能力が低いためかすぐ外国の企業に会社が買われ、社長は欧米人がなって黒字に転ずるというパターンが最近多すぎるように思う。

アメリカは初等教育は失敗しているため識字率は低いが、その分高等教育が成功してるため、世界をリードすることができる。

まさにアメリカは、数人の天才を作り、天才に金持ちが投資し、その天才たちに国民と経済を牽引してもらう社会であり、日本は国民全体のレベルを上げて、国民全体で経済を引っ張る社会であるように思う。

これだけ日本企業、日本の自動車メーカーが外資系企業に買われていくのを見ると、日本もある程度は欧米型の教育を取り入れ、日本人の天才が生まれやすい環境を作らなくては、経済的にも日本が占領されてしまうのではないか...と思うのは自分だけでしょうか?

 

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