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アメリカ自動車コラム

<No.177_070318> 題目:アメリカの隠れ新幹線物語

出張で、仕事仲間と飲んでたときのこと、そのアメリカ人はもう70歳を越えていますが、いまでも、バリバリ第一線の技術者です。ふとしたことから、その人が、昔、アメリカ版新幹線を開発していた、という技術者と話になりました。

今から40年も前の1960年代、そのころ日本は「新幹線」、ヨーロッパは「コンコルド」、そしてアメリカは月面へ向けたロケットを、その当時のスピード技術の粋を集めての開発を行ってた頃です。

当然、アメリカの60年代は、月面到達のアポロ計画に技術の粋を注いでいたと思いきや、連邦運輸局(DOT)が主体となって、毎時160マイル(毎時256キロ)の高速鉄道も開発していたということです。

この高速鉄道、名前は「メトロライナー」。ニューヨークとワシントンDCを3時間以内で結ぶというもの。1965年から開発が始まり、1967年を開業予定としてましたが、実際に営業運転が始まったのは1969年1月からでした。日本みたいに、新規に線路を作る方式ではなく、在来線の上に走らすので、モータや動力は高速で走る能力があっても、線路の状態が悪く、どうしても毎時160マイルは出なかったとか。

それでも1969年4月に、毎時125マイル(毎時200キロ)でニューヨークとワシントンDCを2時間半で走ったそうですが、その最高速をもって、当時の高速鉄道メトロライナーの開発は終わります。

話の最後に、その人にこんなことを聞きました。

「今では、アメリカの月面旅行も、ヨーロッパのコンコルドも、モノにはならなかったけど、日本の新幹線は、台湾や中国に輸出するなど、モノになったみたい。どうして、メトロライナーももう少し続けて、専用の線路を作って、アメリカにも高速鉄道を作らなかったんだろう?

あの当時作っていれば、今ごろ、ニューヨークとワシントンDCは随分黒字になったのに。」

その人曰く、「そうなんだけど、どうして開発が終わったのか、わららないんだよ。」

アメリカのビジネスは謎が多いですね。。。

 

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