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アメリカ自動車コラム

<No.181_070505> 題目:ニューヨークの3大トンネルプロジェクト

ニューヨーク市とその近郊を含め、およそ800万人が住んでいると言われてますが、マンハッタンで働いている人は、地下鉄や近郊電車、バス、フェリー、ロープウェイなど、公共の交通手段を使って通勤している人がほとんどと思います。

そのマンハッタンの地下で、総額3.6兆円(303億ドル)ともいわれる地下トンネルプロジェクトが行われます。金額を聞いてもピンときませんが、日本の新幹線で残りの東北、上越、成田新幹線の建設費で1.6兆円といわれてますから、何ともすごいプロジェクトなのです。。。

この地下トンネルプロジェクトは3つに分かれています。

まずは、ロングアイランド鉄道(LIRR:ロン鉄)用のグランド・セントラル・ターミナル(グラセン)駅。

グラセン駅は、マンハッタンの真中(ミッドタウン)にあり、映画アルマゲドンで、隕石が落ちてきたシーンに出てきた駅といえば、知ってる人も多いかと思います。観光でも有名なところなので、訪れたこともある方も多いかと思いますが、非常に大きな駅で、今でも地下1階と2階にあわせて100以上のプラットフォームがあります。

この駅はニューヨーク北のメトロノース鉄道の専用駅で、ロン鉄は、すこし南西のマジソン・スクエア・ガーデン下のペンステーション(ペンステ)駅にきています。

マンハッタンのオフィスの35%がミッドタウンにあり、ロン鉄を使って通勤している人はミッドタウンのオフィスまで歩いているので、利便性を良くするため、ペンステ駅の東にある、グラセン駅に乗り入れ駅を建設する、というものです。プロジェクトは「グラセン駅東側アクセス」と呼ばれてます。

このプロジェクト、プラットフォームが地下1,2階に沢山あるので、そこまでトンネルを掘るのかと思いきや、浅い地下では、他のビル地下と干渉し、ビルを買収すると建設費がかさむということで、なんと、グラセン駅の地下14階にプラットフォームをつくり、長いエスカレータで地上とアクセスする、ということなのです。これで建設費が7500億円といわれてますから驚きです。これは2013年開業予定で進められてます。

次は、ニュージャージー鉄道(NJT)のハドソン川セカンドトンネルです。

これは、北東回廊と呼ばれる、アメリカ東海岸を走る鉄道本線のトンネルで、マンハッタンの西側、ニューヨーク州とニュージャージー州の境を流れるハドソン川の地下を通るトンネルに、併設したトンネルを建設するというものです。これは、ニュージャージー州からマンハッタンへ通勤している人が使っているルートで、現在のトンネル内の古い施設の変更や輸送量の増大のため、建設するとのことです。この建設費は約8300億円で、2016年以降の開業を予定しています。

最後は、ニューヨーク市交通局の地下鉄、セカンドアベニュー(2アベ)線です。

これはマンハッタン東側の2番街の下にマンハッタン南端から、ミッドタウンのさらに北のハーレム入口の125丁目まで新線を建設するというものです。この2アベ線、1970年代にも建設話がありましたが、予算がつかなく、断念しましたが、近年、また話が持ち上がり、やっと先日、工事が始まりました。しかしながら、全線の総工費がなんと2兆円!といわれ、本当に全線完成される予算があるのかが、未だ疑問視されてます。1期工事の63丁目から95丁目までが始まり、これも1期工事分が2013年の開業予定ということです。

2010年の半ばには、マンハッタンの地下や人の流れに大きな変化がありそうです。

またアメリカの土建業界にとっては、これまた景気がいい話なんでしょうが、ほんと、元が取れるんですかね?

 

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