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アメリカ自動車コラム
<No.21_010405> 題目:アメリカの教育について考える(完全版)
ウィスコンシン大学の看板学部の一つに教育学部があります。 ここの教育学部は全米でもトップクラスに入り、それを反映してかウィスコンシン州も学校の教育レベルが高いことで有名でもあります。日本の文部科学省から派遣された先生方もここで研修などしていることもあるようです。 最近では、やはり教科書がニューヨーク・タイムスでも取り上げられ、韓国ほか日本以外のアジアの国の学生が問題視しています。他国の学生がいつも不思議がってます。どうして日本は素直にあやまらないんだろう、ドイツは憲法にも第二次世界大戦は自国が悪いことを明記しているのにと。 さて先日、このアメリカの教育制度を生で触れる良い機会がありました。 それは友人からの依頼で、ミルウォーキーの高校生に自分の研究分野や日常生活のことなどを高校の授業で話すというものです。話す時間は50分。ミルウォーキーと自分のいる大学があるマディソンは約150km離れているので、その授業には電話回線を使ったビデオ会議システムを使います。 授業の当日は、大学のビデオ会議システムがある部屋へ出向き、まずスタッフと簡単な打ち合わせ。大学側のスタッフは自分を入れて4人。テレビカメラは2台あり、一台は話し手の顔を、もう一台は紙で書かれた資料を写します。そして大きなビデオモニターが2台あり、一台は大学側をもう一台はミルウォーキー側を写し出します。 そして授業開始。ミルウォーキー側の先生と高校生が写し出され、やや緊張。クラスの人数は30人程度で、ちょっと騒がしい。中には寝ている子も居たりして...20分くらいで自分の説明を終えて質問コーナーに入ると、どうしてその研究をしているのか、学費をどう捻出するかというのが彼らの関心の中心であった。人種を見るとアジア・ヒスパニック、アフリカンなどの移民が多いクラスだったので、特に学費は最重要問題であります。ちなみに州立のウィスコンシン大学の学費は一学期(4ヶ月程度)で90万円程度、シカゴ大学は1年で400万だそうです。 国際学会で発表した経験があったものの、50分間話すのは大変でした。でも高校生との会話は楽しく、有意義な時間を過ごすことができた。ちなみに、この授業を主に運営しているのはウィスコンシン大学の学生で、彼らはウィスコンシン州から奨学金をもらっているそうである。 自分の中学・高校の頃というと、漠然とエンジニアになろうという目標はあったが、実際に現実的な情報を聞く機会はなかったように思う。もし、自分にもこういう機会があり、エンジニアだけではなく、法律、医学、語学などの分野の人から話を聞くことができれば、もっと違った人生を歩んでいたのだろうか? 日本の教育プログラムにも欲しいと素直に思った。 話は変わりますが、自分は英作文が下手なので、教育学部の博士課程の学生から週二回各一時間、英文エッセイの書き方を教えてもらっています。1時間15ドルで契約しているが、先生の質の高さには驚いてしまう。多分日本で同じことをしたら、4倍の値段はするだろう。間違いは厳しく指摘されるのだが、ちょっとでも良い文章を書くとすぐ誉めて、自分をやる気を高めてくれる。 自分が受けているエッセイであるが、教育に関する評論を10ページ程度読み、それをまとめ、さらに自分の批評をくわえたエッセイを書くというもの。 さて批評内容。 現在の日本を考えてみる。日本は識字率も高く、教育水準も高いので、たとえばメーカーでは高品質の製品を作り出すことができる、それが得意領域である。 しかし、飛びぬけた天才が少ないので、会社の経営状態が悪くなると、問題解決能力が低いためかすぐ外国の企業に会社が買われ、社長は欧米人がなって黒字に転ずるというパターンが最近多すぎるように思う。 アメリカは初等教育は失敗しているため識字率は低いが、その分高等教育が成功してるため、世界をリードすることができる。 まさにアメリカは、数人の天才を作り、天才に金持ちが投資し、その天才たちに国民と経済を牽引してもらう社会であり、日本は国民全体のレベルを上げて、国民全体で経済を引っ張る社会であるように思う。 |