日米技術サービス

Nichibei Science & Engineering Technical Service

From New York / North Carolina / USA


お問い合わせ
Contact

Powered by Triangle Park Science & Engineering

 

 

アメリカ自動車コラム

<No.218_090613> 題目:エコのため、高速道路を予約制に!

アメリカでも、クルマの渋滞解消は大きな関心事で、渋滞で排出する炭酸ガスを削減することが一つの目標になってます。つまり、ノロノロ運転では、エンジン効率は悪く、余計な炭酸ガスを排出してしまう、ということです。

私が住むニューヨーク州でも、マンハッタンやその近郊は人口も多く、通勤時の渋滞は問題となってます。
たとえば、ニューヨーク州運輸局の調べで、ニューヨーク州で、通勤時の平均時速を30キロから60キロへ引き上げられれば、炭酸ガスの排出量を約120トン削減できる、報告があります。

この結果からすると、日本の、休日に高速道路を1000円で開放する、という新制度は、高速道路の平均時速が下がり、渋滞が増加すれば、炭酸ガス排出量が増大し、エコには悪い結果となる、ということです。せっかく日頃こつこつと、炭酸ガス排出量を削減する活動をしても、渋滞が増えれば無駄になってしまうのです。アメリカだったら、政府を相手取って、増えた炭酸ガスの責任を問う訴訟が起こるところでしょうか。

さて、そんな話を、アメリカの道路関係の人としていた時のこと、彼いわく、
「それなら、いっそ、高速道路を予約制にしてはどうか?」
と言うのです。

彼のアイデアは、日本もETCが普及し、高速道路の割引制度もETCで行われているので、高速道路を使う時間と場所を、インターネットなどで予約制にして、予約したETCでなければ高速道路を使えないようにする、というものです。
そうすれば、適正な平均時速を保つことが出来、エコにも、個人の時間も節約でき、いいことづくめだ、と彼は言い切りました。

クルマの炭酸ガス排出問題は、個人がハイブリッド車や、電気自動車への買い替えを促進することのみに、視点が置かれがちですが、ちょっと考えると、個人負担ばかりに頼らず、道路行政側にも対応すべきことがあることを、皆さんには知ってもらいたいと思います。

 

日米技術サービス メインページ


 
Established: Mon, Feb. 7, 2007.