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アメリカ自動車コラム

<No.236_100221> 題目:日系メーカーのリコール問題は、第2のリーマン・ショックを引き起こす?

約1ヶ月ぶりのご無沙汰です。本業のほうで長期出張してましたが、その間に、世間は日本車リコール問題で大騒ぎになって、びっくりです。

今週には、トヨタ社長が、米国議会の公聴会呼ばれ、今回の騒ぎで5万人の失業が懸念されてます。これは、日本全体の失業率、約0.1%下げるほどの深刻さです。

本来ならば、これだけの問題になれば、日本政府も外交問題として捉えて、会社社長だけに任せるのではなく、米国議会の公聴会には、日本政府も何かしら対応してもいいものです。
それなのに、日本政府は知らん顔、という感じであることから、何か裏があるような気がします。

また、このリコール問題を米人と話したら、昔あった、フォードとファイアストーン(タイヤ製造メーカー)問題と同じだよ、と言われました。あの時は、部品メーカーの責任になり、完成車メーカーは責任を逃れることができましたが、今回はどうなるのでしょうか。

また、アメリカには、日系メーカーの現地生産工場が数多くあり、日本車人気が下がれば、これら工場のレイオフが増え、失業率を押し上げ、結局はアメリカ自身も自分の首を絞めることになります。
そこまでしても、失業率が問題の今時期に、リコール問題に火をつけたことは、何か2008年秋のリーマン・ブラザース廃業に始まる、経済ショックと業界再編に似た状況と感じられます。

いったい、この騒動の後は、誰が勝者になるのでしょうか?

政府の資金が注入された、ゼネラル・モータースやクライスラーでしょうか?それとも新興メーカーの中国やインドか、テスラなどの電気自動車専業メーカーでしょうか?

ライバルは沢山います。もしかしたら、今回の騒動は、日本も早く、独自の産業を育成して、自立しなさい、というアメリカからの警告なのかも知れませんね。

 

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