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アメリカ自動車コラム

<No.241_100328> 題目:グーグル・マップAPI - 乗換案内と渋滞情報と運行情報が合体すると

私はグーグルの宣伝マンではありませんが、やっぱりこういうところは、日本ではできない、アメリカって凄いところだよなー、と思います。

何のことはない、バスと電車の乗換案内と、実際の運行情報と、渋滞情報を合体させて、一つの地図上に表示させて、必要な情報を取ろう、というものです。

乗換案内は、たしか、「駅すぱあと」というものが、グーグルが有名になる前の、10年以上前から、日本にはありました。私も日本にいたときは、よく使ってましたが、あれが出来たお陰で、分厚い「JR時刻表」という本は買わなくなりましたね。

渋滞情報は、VICSというシステムに加入すると、GPSナビゲーション・システムの地図上に表示されるものがありますね。これも10年くらい前から、日本にあったと思います。あの頃は確か有料でVICSに加入しないと、GPSを持っていても、渋滞情報は見ることが出来ませんでした。私はラジオ派だったので、無料のAMラジオの情報を頼りに、渋滞をかわそうとしたものでした。

そして、バスと電車のリアルタイム運行情報。これは最近の普及してきたもので、日本はどれくらい普及しているのかは知りませんが、アメリカのシカゴのバス路線は、リアルタイムのバス運行情報が取れる、すごいシステムが導入されています。ニューヨークも近々、同じシステムが導入される予定だとか。なので、自分が乗ろうとしているバスが今どこにて、乗り継ぎするバスが、どこまで来ているかが地図上に表示され、あと何分で、停留所にくるかが、知ることができるのです。

そうなのです、最近流行りのスマートフォンを持っていれば、この3つの情報をウェブから、その場で知ることができます。

さらに凄いところは、アメリカでは、グーグルが、GTFS (General Transit Feed Specification)なる、もので公共機関の運行サービス情報のフォーマットを標準化して、公共機関が情報を公開する方向にあるということです。

リアルタイム・バス情報システムを公開している、シカゴ交通局(CTA)は、グーグルマップAPIユーザーに、API開発ツール・センターを提供しています。

ここまでくると、毎日通勤や通学に使うルートを、APIで予め、プログラムしておけば、検索しなくても、自動で、後何分で、バスが着ますよ、とか、後何分でオフィスにつきますよ、とか、スマートフォンが教えてくれそうです。

渋滞で到着が遅れるときもあるので、通勤ルート途中の、お気に入りのお店のイベント情報を、このAPIで組み込んでおけば、「渋滞で待ち時間がxxあるから、yyのお店でzz時からバーゲンに間に合いますよ」なんてことも、スマートフォンが自動で教えてくれることもできるのでしょうか?

APIでプログラム、なんて、素人には難しいでしょうから、グーグルマップAPIで、個人の通勤ルート情報をプログラムしてくれる商売も、これから増えそうです。

こう簡単に移動ルートの情報が得られるようになってくると、移動手段のクルマを売って利益を得る時代から、人がマイカーやバスなどの移動手段や移動ルートを、選ぶことから生まれる利益を得る時代へ、変化していくのでしょうか。

日本って、個々の技術は随分と前からあっても、別々の会社が行っているサービスを統合させて利益を得る仕組みを作るのって、何で不得意なのでしょうかね。

 

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