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アメリカ自動車コラム

<No.249_100528> 題目:自動車のネットワーク

本コラムを読まれている方は、コンピュータを経由して、コラムをダウンロードしたり、メールを送信したりしている方が、ほとんどと思いますので、コンピュータのネットワーク、たとえば、「イーサネット」や「LAN (ローカル・エリア・ネットワーク)」などは、聞いたことくらいあると思います。

さて、自動車も、最近ではメカメカした、機構だけの伝達構造だけではなく、電子制御機器も随分と増えたので、コンピュータのネットワークに似たものがあります。

アメリカでも普及しているのが、キャン(CAN, コントローラ・エリア・ネットワーク)と呼ばれる、自動車内のネットワークになります。
自動車の場合、パソコンのようにインターネットのプロバイダに接続したり、他のパソコンとやりとりすることはなく、また、ビルのように建て増ししたり、電車のように連結したりすることは無いので、ネットワーク自体は、自動車単体で収まり、他の車と情報交換しない機能になってます。

最近は自動車会社も集約されてきましたが、このネットワークは、自動車会社毎に個性があり、メーカーが変わると、インターフェースが違ったりして、情報伝達がスムーズにいかないことが多々あります。これは、自動車のネットワークには、各自動車会社の歴史が詰まっており、信頼性を確保するためには、大きな変更もできず、開発予算も限られているので、各社の個性が今でも残っています。

次に路線バスのネットワーク。
バスには、エンジンだけではなく、自動ドアや、行き先表示器、最近では、ビデオ監視カメラや、データ通信用の無線機も付いています。なので、アメリカのバスには、ネットワークは1系統だけではなく、何系統かついています。前述のキャン(CAN)は、どちらかというと、エンジンの状態など、安全に関わる大事な系統を監視するための、情報ネットワークという役割を担ってますが、行き先表示器や、ビデオ監視カメラなどは、さほど安全には関わらないので、イーサネットや、「SAE J1708/J1587」と呼ばれる、アメリカ独自の規格のネットワークが使われていたりします。

電気自動車などの、新しい車が普及してくると、どういったネットワークが使われだすのかは分かりませんが、イーサネットのように、世界的に仕様を共通化したほうが、普及も広がり、開発コストも下がるでしょう。

イーサネットのように、自分のクルマの前後のクルマと無線通信が出来るようになって、自動車同士のローカル・ネットワークが組めるようになると、クルマは、さらに便利に安全な乗り物になると思います。

たとえば、事故や渋滞情報を入手したり、前のクルマが急ブレーキやスリップなどしたら、相手のクルマの制御情報を入手して、追突防止に役立てたりと、安全上も効果が大きいと思うのですが。

日本の自動車メーカーが先導して、車同士のネットワーク作りをするなんて時代は来ないのでしょうかね。

 

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