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アメリカ自動車コラム

<No.31_010809> 題目:アメリカの原子力問題

気が付くと夏学期も終り、自分が取っている英語のクラスでは、最後の週にまとめとして英作文(エッセイ)とその発表会があり、そこでアメリカの「原子力エネルギー」について取り上げまとめました。

自動車とは直接関係はないのですが、同じエネルギー問題ということで
皆さんに評価して頂ければと思ってます。

<原子力エネルギー>

カリフォルニア州でのエネルギー危機は、発電量が不足し、さらなる電力源が必要であることを示唆している。事実として今夏にカリフォルニアのホテルに宿泊すると、電気代として1日約3ドル余分に徴収される。

一方、石油や石炭、すなわち化石燃料を燃やすことは地球温暖化に寄与することが知られている。
自動車や発電所では化石燃料を燃やしてエネルギーを得ているが、人々は自動車や発電所を取り止めるよりもむしろ代替技術を得ることの方を望んでいる。しかしながら代替技術すなわち太陽熱発電や燃料電池は未だ技術的な問題を抱えている。

ブッシュ大統領は、現在新たな原子力発電所の建設を提案し、推進している。

彼は原子力発電が、不足する電力供給量、地球温暖化、発電コストの増加、を解決する方法の一つであることを示している。昨今の20年間、人々は原子力発電が夢のエネルギーが否かということを議論し続けている。

例えば、原子力の安全性である。

原子力問題の一つに、人々は目に見えない放射能に恐怖を感じていることが挙げられる。原子力発電は、一般的に良く知られている炉心溶融により、発電所が破壊するという重大事故が発生することがある。

事実として22年前にペンシルバニア州のスリーマイル島の第二反応炉で炉心溶融寸前まで起こった事故が発生している。しかしながら、事故から20年あまり経過した現在では技術はさらに進化している。

もし、原子力開発研究者が先進技術を投入して新しい原子力発電所を開発したならば、新型原子力発電所は安全なエネルギー源となるだろう。私達には今すぐに電気供給量を増やす必要性がある。

その一つの理由として、新型原子力発電所の反応炉は安全な核分裂反応を約束するからである。その安全の特性はウラニウムすなわち燃料の構成にある。

たとえば、従来型の反応炉「軽水炉」型と、MITのKadakらが開発している新型の反応炉「小球充填炉(pebble bed)型」の主な違いは炉心にある。軽水炉は制御棒が炉心に含まれていることに対し、小球充填炉はウラニウムを含む小さい球がそれに含まれている。

軽水炉の場合、その制御棒がウラニウムの核分裂を制御し、核分裂で発生した熱で循環水を蒸気に変える。その蒸気でタービンを回して発電する。もし循環水が漏れて炉心を冷却出来なくなると炉心の温度が上昇し炉心溶融となる。

小球充填炉の場合、利点は放射能漏れ防止の多層炭素で覆われたウラニウムの小球(鉛筆の先ほどの大きさ)が、炉心溶融を防止することにある。炉心内にある約400,000個の小球の核分裂による発熱温度は1100℃程度であり、放射能は炭素皮膜内に閉じ込められる。

その結果として、小球は循環媒体のヘリウムを熱し、ヘリウムがタービンを回して発電する。もしヘリウムが漏れたとしても、炉心温度は炉心溶融が起こる温度3000℃を下回る1100℃程度以下となる。

他の理由として、原子力発電所における死亡者数は、化石燃料である石炭の採掘所における死亡者数を下回る。

例えば、MITのThurowによると、中国では年間10,000人が石炭採掘所で死亡している。この結果として毎日約55人が世界の石炭採掘所で死んでいることになる。原子力発電は、これらの死者数を考えたとき、石炭などの化石燃料発電よりは安全であろう。

さらに付け加えるならば、20〜25歳程度の若者が原子力発電所の建設を支持していることである。

なぜならば、彼らはスリーマイル島の事故を肌身を持って知らないからであり、学校の先生や両親からしか事故のことは聞かされていないからである。私のウィスコンシン大学での抽出インタビューによると、大多数の学生は原子力よりも、むしろ高い電気代を払うことを嫌っている。

結論として、原子力発電所の利点は、発電容量が大きい、二酸化炭素を排出しない、発電所内での事故が石炭のそれに比べ少ない、である。

今一度、エネルギー危機を解決する方法としての原子力発電を見直す必要があるのではないだろうか。

 

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