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アメリカ自動車コラム

<No.35_010917> 題目:9/11大規模テロ反応とその後

アメリカの大学は9月から新学期が始まります。

この時期は部活やサークルの勧誘や新入生の歓迎パーティーでいつもなら華やいだ雰囲気があり、こちらも気分も新たにがんばるか〜、という気にさせられます。しかし今年は...

大規模テロから約1週間が過ぎました。

今週からは学生達もいつものペースを取り戻し、講義や宿題、論文作成に追われています。

しかしながら、事件の精神的なダメージは人々に深く刻まれています。

ある学生は今まで人生で一番衝撃的な出来事だったと言ってます。犠牲者の冥福と平和への祈りを捧げるため、先週金曜日に午後の講義を全学休講として追悼式典を大学の広場で行い、その時は白いリボンを胸につけた学生と職員ら2万人が祈りを捧げました。

今でもバスや会社のビル、各家庭などで半旗を掲げ冥福を祈っています。大学では、精神的な不調が発生した学生と職員のため、心理カウンセラーも用意しているとアナウンスがありました。正常な生活回復へ向け、皆前進しているところです。

生活への重大な支障は今のところないようです。

ガソリンの価格などは事件当時、一時1ガロン当たり100円ほど値上がりしたようですが、今では正常な価格へ戻ってます。

戦争になればガソリンが不足すると思った市民が買いに走ったようです。食品の価格も値上げはないようです。ただし、飛行機がまだ正常に飛べないため、宅配便などの航空便は遅れ、多くの出張や講演などはキャンセルされてます。飛行機の搭乗手続きも2時間前には済ましておくようにとの通告がありました。しばらくは長距離移動を控えたほうが良いようです。

さて報道ですが、事件は早朝だったので、当日は講義の合間にニュースをテレビやラジオで、私を含めた沢山の学生が見聞きしてました。

新たな事実が判明する度に、みな衝撃を受け、会話のトーンも落ちていたのが印象的でした。

こちらの報道で幾つか気になったのが、ニュースキャスターが「パールハーバー以来の攻撃」と何回も繰り返していたことです。「えひめ丸」や「中国からの偵察機帰還問題」のときもそうだったのですが、情報の伝え方がやや偏っていることが否めません。

田中宇さんの国際ニュース論説(http://tanakanews.com/)
を読んで少しすっきりした気分になりましたが、アメリカのニュースだけ見ていると、"何故事件が起きたか"という背景はわざと触れていない感じがします。

私の友人のアメリカ人は、戦争による事件の解決を望んでいないのですが、アメリカのニュースだけを見ていると、有無を言わさず戦争の準備をしなければ、という気になってきます。ここが、今回の事件の重要なポイントだと思います。

本当に戦争は起こるのでしょか?

留学生の間ではアメリカを脱出する時期は何時が良いか、などの話も聞くようになり、私も緊急国外脱出用カバンを用意する気にもなったりしてます。

今後の動向は良くつかめませんが、もし実質的な戦争へ突入すると経済活動は落ち込むことになり、それに対しての忍耐もするよう、大統領が国民へ訴えています。

アメリカの航空機産業は早々とリストラしてますが、自動車産業も更なるリストラ案を打ち出すことになりそうです。

何か良い平和的な解決策はないのでしょうか?

最後に事件に遭われた被害者のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 (2001年9月17日)

 

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