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アメリカ自動車コラム

<No.49_020103> 題目:映画「JFK」について考える

お正月休みに、「JFK」のビデオをルームメイトのマイクと見た。

1991年公開で、監督はオリバーストーン。ディレクターズカット版だったので全編4時間弱の長編大作であります。内容は皆さんご存知のように、アメリカ第35代大統領、ジョン・F・ケネディの暗殺事件について描いたものです。公開当時は随分と話題になったものですが、私は見逃していたことを思い出し、何か心の中で引っかかるものがあったので見ることにしました。

ルームメイトでアメリカ人のマイクに事件当時の事を聞くと、彼はまだ小学生で、事件のことを聞くとみんな泣いたと言ってました。おまけにオズワルドの暗殺シーンも生放送で見ていたとのこと。

さて簡単に内容を説明すると、

1963年11月22日の昼にダラスでケネディ大統領が暗殺された。その後すぐに容疑者オズワルドが捕まったが、その容疑者も審議中に暗殺されてしまう。事件は孤独で独身のオズワルドの単独犯ということでうやむやになるところを、ニューオリンズの地方検事ジム・ギャリソンが異議を唱え、実際に行われた裁判をベースに話が進んでゆく。そして最後に検事は、事件は軍産複合体とCIAのクーデターだったと法廷で言い放つが、検事は法廷で負けてしまう...

長編にもかかわらず、2回も見てしまうほど面白かったです。
特に事件を解き明かし、最後の法廷で検事が立証していく過程は圧巻で、検事役のケビン・コスナー、オズワルド役のゲイリー・オールドマンは、まさにはまり役ですね。

しかし何よりも、映画の内容が驚きでした。
単なる映画なので、どこまで事実でどこまで仮説かが問題ではあるが、ここまで政府機関の、しかもまだ生きている関係者がいるにも関わらず、アメリカの未だ解決出来ない暗部を描いて一般公開したところに、真実を追究したい監督の意気込みも感じました。現状のアメリカを考えるとハリウッドで作ることが出来たのが不思議なくらいです。今のハリウッドなら絶対に作ることができないだろうと思います。

当時のケネディは、ベトナム戦争の拡大を中止し、撤退することを考えていた。検事の説では、撤退されては肥大化した軍需産業が困るから暗殺したというわけである。
検事の言葉どおり、あの事件がクーデターならば、それは成功し、未だ私達には見えない(見える?)クーデターの黒幕がアメリカを実質支配しているのだろうかと感じてしまうのでありますが。。。

昨年の大規模テロ事件以降、アメリカの向かう方向に疑問や不安を持つ人が多ですが、アメリカはケネディ暗殺事件が、今のアメリカ資本主義の特徴的な背景となり、やはりあの事件の真実を、アメリカ国民が知ることを出来なければ、さらにアメリカ政府が声高々にテロ撲滅唱えても、テロの脅威から逃れることはできないのではないのでしょうか?テロ撲滅という名を借りて戦争を行い、軍需産業を保護しているとしか思えず、そして戦争で傷ついた人々がまたテロリストとなるからです。

私は、アメリカ国民自ら、ケネディ暗殺事件の真相を明らかにすることが、テロ撲滅の近道であるように思えます。そしてそれが、今のアメリカと世界の問題を解決できる手段の一つと思うからです。このような映画が出来るということは、アメリカもまだ自浄効果が残っていると期待したい。そして真の平和に貢献できる力があることを信じたいです。

 

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