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アメリカ自動車コラム
<No.52_020209> 題目:地ビールの話・その2
始まりましたね、ソルトレーク五輪。 開会式ではインディアン(アメリカ国内ではアメリカン・ネイティブと言う表現が正式)の踊りとアメリカ開拓時代の踊りなど、西部色が強かったのが印象的でした。個人的にはスキージャンプが好きで、今年はどんな記録が出るか楽しみにしています。 さて、今回はまた地ビールの話。お酒が好きでない人にはごめんなさい。 ウィスコンシン州は地ビール作りの盛んなところで、日本でも有名な「ミラー」の本社がミルウォーキー市にあり、「札幌・ミュンヘン・ミルウォーキー」という言葉からもその盛んさを知ることが出来ると思います。 先日、大きな試験が終ったので、その息抜きに、アパートの近くの地ビールパブへ行くことに。 そのパブ、建物の外にはお店の名前が出てなく、遠目では地ビールパブという事はわかりません。店の近くに寄ると、建物の中に置いてあるビールサーバーが見えることで、それとわかる程度なのです。私も散歩をしたときに偶然そのお店を見つけ、それ以来、自称地ビールハンターとしては気になっていたお店なのです。 初めてのお店に入るときは、ちょっと冒険心がいるもの。入る前は、ホモばかりとか、屈強な男ばかりのお店だったらどうしようと思ったりと、ちょっと小心者になったりして... しかし店に入るとそんな不安は一気に消えました。金曜の夜であることもあってか、25分待ちの満席状態。客層はファミリーや20代くらいの落ち着いた若い白人が多く、中には赤ちゃんを抱えた奥さんもいました。 店はドイツビールパブ風で、店の中からも地ビールサーバーが見え、地ビールパブの雰囲気を盛り上げています。また、こちらのパブではお決まりのビリヤードやサッカーゲーム台がお店の隅に置いてあったり、店のロゴマークの入ったTシャツや蓋付きビヤマグがショーケースに並べてあったりします。お店のファンは買うこともできるようです。 待ってる間、早速お店の地ビールを飲むことに。 そいえば昔、ドイツ語の先生がドイツの地ビールパブの話をしたときのこと。昔のビールパブにはビールの樽が置いてあり、樽の出し始めのビールよりも、樽の中ほどからの熟成された(?)ビールのほうが美味しいということを常連客は知っていたため、彼らは樽をたたいてビールの残存量を測り、今日はあの樽のビールが美味いと常連客同士で情報交換をしていたとか。 そんなことも思い出しながら、まだ常連じゃない私は、バーカウンターへ行って店員に「今日のお勧めは?」と聞いて注文。 出て来たのは「レッドビール」。ウィスコンシン州ではレッドビールは人気があり、地ビールパブでは看板ビールの一つです。日本でいうと「エールビール」が近い味のビールでしょうか? さて飲んでみると、「うまい」の一言。飲み口は軽めなのですが、飲み後がちょっと苦め。でも、飲むほどになじんでくる味なのです。他の種類のビールもあったのですが、結局その日はレッド一本にしぼり、大きめのグラスで4杯も飲んでしまいました。最後まで飲み飽きることなく、舌にほのかな苦味を残して店を出ました。 そこで店の名前の看板が屋外に出てない意味がわかったような気がします。それはビールの味で勝負している店で、ビールの味が看板なのです。新規の客は口コミで広がっていくのです。逆にそうすることでビールの品質に細心の気を配る努力が生まれ、そして何より美味い地ビール、より良いものを生産するという原動力と誇りが生まれるのでしょう。 小さい企業が淘汰されて、組織が巨大化し、大量の宣伝で利益をあげる企業が多いアメリカでも、こんな職人気質の地ビールパブが生き残っています。 |