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アメリカ自動車コラム

<No.56_020323> 題目:有機野菜とバイオダイナミクス

ウィスコンシン州は、酪農が全米でもっとも盛んな州の一つで、アメリカ人に「ウィスコンシン州って何がある?」と聞くと、大抵「チーズ」という答えが返ってくるほどです。

また、大型トラクターなどの「ジョンディア(John Deer)」という農業機械メーカーの本社がウィスコンシン州にあります。この会社のトレード・マークが、緑地に黄色の鹿というもので、このマークの帽子をかぶっている人は、酪農家である確率が高いみたいですね。

アメリカで酪農、農業というと、巨大なトラクターや機械を使って、畑を耕したり、収穫したり、はたまた農薬散布をしたりするという、効率化されて収益が高く、大量生産的なイメージが強いのではないでしょうか?

でも最近は、日本と同様、こちらでも食べ物の信頼性が低くなっていることと、健康に気遣う人が多くなったためか、有機野菜の人気が高くなっています。今回はウィスコンシン州の有機野菜について触れてみたいと思います。

この有機野菜、ルームメイトのマイクが毎週購入しています。まず購入方法ですが、1年契約で300ドル程度で、野菜の量は、毎週30センチ角のダンボール箱程度です。その野菜が入った箱は、土曜日に契約者のガレージに20箱ぐらいまとめて置いてあり、そこからピックアップしていくというシステムを取ってます。

野菜の種類は季節によって変わりますが、毎回10種類程度入ってます。しかしながら、購入者は野菜の種類を選ぶことが出来ません。そのためか、毎週入っている野菜の調理法とか、栄養価に関することが書かれた紙が入っているため、初めてみた野菜でも料理して食べることができます。まあ、味の好みがあるので、苦手な味の野菜が入っているときもあります。

こちらのスーパーでは一般に売っていないような野菜が入っているとこがあります。私が喜んで食べたのが、枝豆、ごぼう、カブなどです。西洋わさびも美味でした。

契約している有機野菜農家はマディソン市近郊のウィスコンシン州中部にあり、毎週土曜日にそこから運んでくるため、野菜は新鮮で、安心して食べることができます。スーパーだと値段は安いですが、いったいどこから輸入されたものかわからないのもあるのが難点ですよね。

有機野菜の栽培方法も、マイクに聞くと、前述した巨大な機械で力任せに耕作、栽培というのではなく、苗植えのときから手をかけて育てているようです。最近では「バイオダイナミクス」という方法も取り入れて作物を栽培する農家が増えているようです。

このバイオダイナミクス、一口で言えば、単に化学肥料を投与しないだけでなく、作物そのものの生命力を高めるために行われるさまざまな営みということ、だそうです。

なんか、抽象的で分からない表現ですが、自分が聞いた話だと、自然の中に存在するさまざまな神(?)を崇めるような行為をして、土を豊かにしたり、収穫した作物の品質を高めたりすることのようです。

日本でいえば、田植えの時期に神社から神主さんをよんで、収穫祈願をしたりお神楽を踊るというような行為でしょうか?

このバイオダイナミクス、もともとフランスなどのヨーロッパからきて、インディアンの習慣と融合してアメリカやカナダの農家で実践されていると聞きましたが、あまり科学的に解明された方法ではないため、私には良い方法なのかどうかは一概に言えませんが、良くご存知の方がいれば教えてください。

最近は日本でも食べ物の不安が増加してきているので、そろそろ、こんな野菜の購入方法や農法が増えてくるかも知れませんね。

 

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