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アメリカ自動車コラム

<No.63_020529> 題目:燃料電池でアメリカも変わる?

さて、今年になってさらに白熱してきた燃料電池車戦争。今のところ日本での動きが活発なようですが、アメリカでも構造変化が起きているのです。。。

先日みなさんにご紹介した「デトロイト市」。ここはアメリカ3大自動車メーカーが集まる自動車の中心地ですが、この街が燃料電池車の出現で自動車の中心地ではなくなる日も近いのでは。。。という話なのです。

というのも、デトロイト近郊、ミシガン州などの5大湖周辺には、20世紀初頭、世界に先駆けてT型フォードを量産し始めて以来、エンジンや変速機などの複雑な自動車部品の機械加工や組み立てをするための優れた工場や人材が集まっています。

しかしながら、自動車用の電気部品などは、この地域以外のところから外注しているところが多く、電気機器部品を多用する燃料電池車が普及してくると、地域のメリットが薄れてくるというのです。

しかもアメリカは競争社会の国。この好機を睨んでいる州は多く、特にIT・航空宇宙産業などの電気電子機器に強いカリフォルニア州は、州政府が燃料電池の研究助成を活発にしています。

元々、カリフォルニア州は排ガス規制や公害対策においては全米一厳しく、低公害に関しては州民の関心も高いことから、燃料電池車の拠点を置きやすいのかも。さらに、現在、燃料電池車の主導権を握っている日系の自動車メーカーのアメリカ本社もカリフォルニア州にあるため、都合の良い条件がカリフォルニア州にはあるようです。

この競争、デトロイトの守旧派とカリフォルニアの改革派の戦いという構図も見えてきますが、いったいどうなるのでしょう?

また、日本のメーカーが主導権を握っているにも関わらず、日本では、「町おこしに燃料電池の開発拠点を!」という話はまだ聞いたことはありません。折角のビジネス・チャンスなのに、何だかおかしな話と思いませんか?

そういう、したたかさ、貪欲さ、臨機応変さはアメリカにまだ及ばないということなのでしょうかね?

 

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