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アメリカ自動車コラム

<No.67_020614> 題目:アメリカのハンディキャップ用設備と考え方

車椅子生活のマイクと一緒に暮らして約1年が経とうとしています。

マイクを通じて、アメリカのハンディキャップ用の設備を見ることができました。

まずはバス。通勤用のバスは車椅子ごと乗り込めるようになってます。

旧型のバスは車椅子をリフトで持ち上げてましたが、最新型の通勤用バスは床が低く、車椅子が乗り込む時には、バスの地上高が低くなり、板が出てきて地上とバス床との間にスロープが出来るので、基本的には人の手を借りずに乗り込めるようになってます。

車椅子が乗り込むと、椅子の一部を折りたたんでスペースを作り、車椅子を4本のベルトで固定用するようになってます。バス前方の客席はハンディキャップがある人が乗り込んできた場合、そこに座ってる健常者は、速やかに席を空けるように法律で決められています。

バスのドアから、前方の席までは手すりがあるので、目の不自由な方や足の不自由な高齢者でも人手を借りずに乗り込むことができます。

また、公共施設や営業を目的とした建物には、専用駐車場や出入口のスロープなど、ハンディキャップを持った人が阻害されずに移動できる設備がなければ、営業許可が下りないということが「アメリカ障害者法(ADA)」によって制定されています。

この専用駐車場の許可証も役所から認可を受けて発行され、(有効期限は2,3年ほど)その許可証なく専用駐車場に駐車した場合は、法律を守らなかったので罰金となります。これらの建物、特に大きなスーパーなどには電動カートや車椅子が置いてあり、無料で使えるようです。

アパート内もエレベータや半自動ドア(大きなボタンを押すと開くもの)が付いているところが多いです。

これらはすべて、「ハンディキャップを持った人でも平等の権利があり、それを差別・阻害してはならない」というADAの基本精神から来ています。

しかしながら、別の意味でこの法律を解釈すると、このような設備を設置されたところでは、ハンディキャップを持った人は、もう自立しているのだから、健常者は手を貸す必要はなく、何でも自分しなければならないという責任も発生します。基本的にはハンディキャップの甘えは許されません。

これだけ設備が整っているアメリカでも、ハンディキャップを持った人にとってはパーフェクトな環境ではありません。

マイクは口では言いませんが、「ハンディキャップがなければ。。。」といつも心で思っているようですし、こちらも、マイクの全てを手助けをすることができません。やっぱり、大変でも自分で出来ることは自分でやってもらってます。

マイクの素晴らしいところは、誰にでも話し掛け、楽しい会話をし、手助けすることが楽しくなることです。ハンディキャップを持った人は何か独自の方法で、手助けした人に感謝を伝えることができると思います。健常者の人もその思いが伝わって、また次回手伝う気持ちになったり、施設改善に協力したりする気持ちになると思います。

私は、設備改善やハンディキャップを持った人の権利を定めた法律制定は重要な問題です。健常者、ハンディキャップを持った人、両者ともに主張があります。

しかし、まずは自分の周辺で、そういう両者の小さいコミュニケーションを少しづつ築き上げていく努力をすることも大事ではないでしょうか?

 

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