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アメリカ自動車コラム

<No.9_010304> 題目:高齢者と車の役割

こんにちは。

お正月に、ルームメイトのマイクのご両親がアパートへ車で遊びに来ました。

彼らの年齢は70代中ほどで、住んでいるところはミネソタ州のミネアポリス。

なので、車だと高速道路を使って片道6時間ほどかかります。

マイクは運転が出来ないので、この道のりをお父さんが一人で運転してきたのです。

また、昨年の秋に、友人のサンクス・ギビング(感謝祭)パーティーに呼ばれたときのこと。この時はシカゴから70代のお祖父さんが一人で車で来てパーティーに参加してました。耳も遠く、歩くのもちょっと危なげなお祖父さんが300kmもの距離を一人で運転してきたのには驚きました。
70代では日本だと運転が危ぶまれる年齢ですが、アメリカではまだまだ現役ドライバーなのです。

アメリカでは意外なほど高齢者ドライバーが多く、そのための法整備もされているようです。
たとえば、スーパーやレストランなどの公共施設の駐車場は、入口に一番近い駐車場を高齢者や身障者などのハンディキャップ者専用としなければならず、また専用マークが貼っていない車がその場所に停めると罰金を支払わさせることになります。

このシステムがあるだけでも高齢者には大助かり。

日本でも、もっと普及してもらいたいと思うのですが、日本の駐車スペースの狭さを考えると、常時この駐車スペースを確保するのは難しいことなのでしょうか...?

しかし、いくら高齢者にとって優遇された運転環境にあるとはいえ、車は普通車なので運転はかなりの負担になるはず。どうして高齢でも運転する人が多いのでしょうか?

それは、日本では親と息子夫婦が同居というのが一般的ですが、アメリカでは80代の高齢者でも息子夫婦と同居せず一人暮らしをしている人が多いからなのだと思います。

そしてアメリカは歩いて行けるようなところにスーパーやコンビニがないので、高齢者にとっても車は生活に必要な足となっているのです。

しかしながら、高齢者が運転しやすいような車って、アメリカでは見たことがありません。必要ないのかなぁ?と思ったりもしますが、みなさんはどう思います?

ではなぜアメリカの高齢者はここまで独立して生活することにこだわるのでしょうか?。

どうも個人の自由を尊重するという理由ばかりではないようです。

暗殺されたケネディ元大統領の演説の中に「国家が国民に何かするのではなく、国民が国家に対して何が出来るのか...」というのがありましたよね。この演説が物語っているように、アメリカでは生涯、何かができる「現役」であることが重要なようです。

それゆえ高齢であっても、息子夫婦と同居して世話になるよりも、地域社会でボランティアなどの仕事をしながら、独立して生涯現役を通すことが社会的な美徳と考えているみたいです。

生涯現役というのも大変な話ではあるのですが、日本の将来を考えると、こういう福祉の道も考えていかなければいけないのでしょうか?

 

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